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高級コンデジが4万円で手に入る?!
一眼カメラを持っている人であれば、一度は「カメラが重たい」と思ったことがあるのではないだろうか。
カメラの性能と携帯性はトレードオフの関係にあると筆者は思っている。
良い写真を撮ろうと思うと、大きなセンサーサイズ、シーンに合わせた交換レンズが必要だ。
そうなると、”ちょっとそこまで外出”っという際にカメラを持ち出すと大荷物になってしまう。
”気軽さ”という1点において、一眼カメラは大きなデメリットがあるのだ。
結果、「サブカメラが欲しい」という欲求が生まれてくる。
どうせサブカメラを買うのであれば、とにかく携帯性に優れ、そこそこキレイに写るカメラが欲しいと思うだろう。
そこで、登場するのが「高級コンデジ」である。
高級コンデジとは、大型センサーを搭載したコンデジのこと
筆者は、センサーの大きさは正義だと思っている。
もちろん、技術の進歩により小さなセンサーでもキレイな写真は撮れるようになった。
それでも尚、センサーサイズの大きさの優位性はまだ変わらない。
そして、高級コンデジは1型以上のセンサーを搭載した高性能なコンデジである。
一眼カメラに近い性能を持つ、言わばレンズ交換が出来ない一眼カメラというわけだ。
しかし、それだけ高性能であるが故に高級コンデジにもデメリットが存在する。
価格が高いのだ。
10万円を超えるなんてザラである。
そんな中、衝撃的な高級コンデジが登場した。
それが、今回紹介をする「Fujifilm XF10」である。
なんと、高級コンデジが新品4万円で買えてしまうのだ。
XF10 スペック表はコチラ
XF10は格安の高級コンデジである。
機能としては割り切ってあるものもあるが、基本的な性能は非常に高い。
有効画素数 | 2424万画素 |
撮像素子 | APS-C |
画面サイズ | 3 インチ |
固定焦点距離 | 28 mm |
シャッタースピード | 1/4000秒 |
測距点 | 256点 |
最低 / 最高撮影感度 (拡張感度) | ISO 200~12800 |
WiFI | Bluetooth |
手ブレ補正 | 無し |
付属機能、特徴 | 顔認識機能、タッチパネル |
撮影機能 | フィルムシュミレーション |
バッテリータイプ | リチウムイオン電池 |
簡単にまとめると、
「APS-Cのセンサーを搭載した、単焦点28㎜のレンズを持つカメラ」
というわけだ。
これはワクワクしかない!
これが新品4万円というのは、現行のカメラの中では群を抜いてコスパが良いと言える。
富士フィルムの底力のようなものを感じる製品だ。
サブカメラというのは、あくまでサブである。
それ故に、価格が高いと二の足を踏むし、購入を先送りにしてしまう。
だが、4万円であれば頑張れば手が届く価格帯ではないだろうか。
それでは、早速本体を見ていこう。
極薄の単焦点レンズが素晴らしい
ズームレンズではなく、単焦点レンズを装備しているというのが好印象。
少しでも良い画質で撮りたいと思うのであれば、単焦点レンズは欠かせない。
しかも、非常にレンズ部分の厚みが薄い。
これなら、小さなバッグにも問題なく収納できるし、出し入れで手間取ることも無い。
画角は35㎜換算で28㎜の広角となっている。
一眼カメラと違ってレンズの換えがきかないので、換算28㎜というのはとても良いと思う。
RAW撮影する人には関係ないが、JPG撮影の場合はデジタルテレコンという画角を35mm、50mmに変更して撮影することも可能なのが面白い。
F値が2.8と若干暗めなのが妥協ポイント。
せめて、F1.8は欲しかった。
手振れ補正も無いので、暗い場所での撮影はISOを上げるか、三脚を利用することになる。
ストロボも直射しか出来ないので、この辺りはオマケ程度という印象だ。
ダイアルやボタンは必要最低限
軍艦部を見て見ると、ボタン類は最低限に見える。
正直なところ、マニュアル撮影はスムーズだとは言いづらい。
フルオートで撮影するなら問題は無いが、マニュアル撮影のように設定を自分で全て決めるような撮影はモタついてしまう。
シャッター優先、絞り優先などで撮影するのが現実的だろう。
基本はオート、こだわりたい時だけマニュアル撮影という人には問題ない。
ここが残念かな・・・
一番の残念ポイントは、液晶が固定式というところ。
自撮りや、アングルを変えての撮影に弱いカメラになっている。
残念と言えば、ホットシューが無いのも非常に痛い。
外部ストロボの利用が出来ないので、撮影の幅は狭くなりそう。
液晶とホットシューが、このカメラの一番の割り切りポイントだと思う。
外でのバッテリー切れも怖くない
充電は、USB端子より行う。
充電器を持ち運ぶ必要が無いので、外出先での充電は便利そうだ。
”気軽に持ち歩ける”というメリットに大いに貢献している部分である。
そして、意外にも外部マイクに対応していることに驚いた。
ホットシューが無いので使うマイクの種類は限定されそうだが、動画が普及している現代なので嬉しい機能と言える。
どこへでも持っていけるサイズ感
肝心のサイズ感や重量だが、これは一眼カメラを使っている人間からすると嬉しいことだらけだ。
手のひらサイズで、重量は278.9gしかない。
コンデジとしては若干大きくて重いのかもしれないが、APS-Cのセンサーを積んでこのコンパクトさは素晴らしい。
バッグにスッと入り、スッと取り出せる。
このスマートさは一眼カメラには無い魅力だ。
このおかげで、筆者は外出先での撮影が非常に楽になった。
本体に安っぽさも無いので、所有欲も満たされる一台だ。
何でもは出来ないが、非常に満足度は高い
これまでの説明で分かると思うが、良い点、悪い点がハッキリしているカメラだと思う。
悪い点というより、価格を抑えるために割り切った点という見方が正しいかもしれない。
肝心の画質だが、さすがFujifilmと思えるキレイな画質だ。
高感度のノイズも少なく、スナップショットには持ってこいのカメラになっている。
画質に関しては、不満は一切無い。
ただ、Raw現像をして自分の世界観を作り込んでいきたい人には向かないかもしれない。
Rawで撮った際の扱いづらさ、編集の融通のきかなさを感じる。
jpeg撮って出しで、カメラ任せに撮っていく機種だと思う。
一眼カメラと同等な写真を撮りたくて、低価格なカメラが欲しい人はXF10が購入対象の筆頭になるはず。
あとは、拡張性や使い勝手の割り切り方だろう。
初めてのカメラ、スナップショット用に、予備カメラにという用途にはオススメしたい名機だ。
誰にでもオススメできるわけではないが、割り切れる人にとっては満足度の高いカメラだと思う。